あやうく一生懸命生きるところだった

韓国人のハ・ワンさんが、人の生き方について書いた本のレビューです。
私はこの本を読んで、衝撃を受けました。
もっと早く出会いたかったですが、今出会っておいて良かったとも思います。

人生はみんな努力でコントロールできると思っているのがまず間違えだということ。
人生とは答えのないなぞなぞを解くようなものだと表現されていて、良い意味で力が抜けて、気持ちが軽くなりました。
結局、うまく生きる答えなんてないのに、答えがあると思い込み、それを得るために執着してしまう。

自分の人生を振り返ってみると、やっぱりものすごく執着してたなぁと思います。

高校時代は有名な大学に行けば将来安泰で良い会社に就職できると思っていました。

大学時代の就活では、私の時は2010年卒で金融危機が起こった就職氷河期の一発目だったので、就職自体も難しく、こういう状況下でも新卒を雇えるような「大企業」が大人気でした。

何が起こっても大企業であれば大丈夫。。そんな雰囲気がありました。

ですが、そこから10数年たち、今コロナの時代に入り、「大企業なら大丈夫」という誰も疑わなかったことが大丈夫ではなくなりました。

女性の働き方で言えば、女性の社会進出が叫ばれていた時ではありましたが、「新卒で大手企業に入社して、結婚して退職する」という選択肢を考えていた人も多かったと思います。

女性だからそこまであくせく働く必要はないと。

ただ、2020年現在思うのは、コロナになり失業や減給が増える中、大変ではあるけれども自分が働き続けることを選んだ女性は、割と安心して生活できているのではないかと思います。
そして、ジェネラリストよりスペシャリスト(専門職)を選んだ人の方が、1人で仕事を完結できる分、融通がききやすいのかなとも思います。
求人を見ても、コストセンターと認識される職業の求人は見かけなくなりました。

人生何が起こるかわからないから、結局人生をコントロールするなんてできないし、素敵な将来を得られると信じられていた選択肢まで、今となっては本当に魅力的だったのか疑問です。

この本を読んで、やる気を無くした訳ではなく、逆に肩の荷が下りて気楽にやる気になれました。

みんな不安定なものにやたら執着するように世の中に仕向けられているだけなんだと。
想い描いていたもの素敵な未来像は、幻想でしかなかったのだと。
だから、自分の物差しで自分の好きなように生きれば良いのだと教えてもらえた気がしました。

こういう本に出会えれば、きっと自殺する人も少なくなると思います。

やはり、良い本は偉大です。